日々の仕事や家事に追われ、ふと「どこか遠くへ行きたい」と思う瞬間はありませんか?それも、ただ賑やかな観光地を巡るのではなく、波の音を聞きながら何もしない贅沢を味わいたい。そんな大人世代のわがままを叶えてくれる場所が、三重県伊勢市にあります。
今回ご紹介するのは、伊勢志摩の豊かな海を一望する高台に佇む「旅荘 海の蝶」です。この宿の最大の魅力は、なんといっても「榊原温泉(さかきばらおんせん)」の源泉を、伊勢志摩の絶景とともに堪能できる点にあります。榊原温泉といえば、清少納言が『枕草子』の中で「湯は七栗の湯、有馬の湯、玉造の湯」と謳った三名湯の一つ。その名湯を、わざわざ山あいの榊原まで行かずとも、海の美しさを愛でながら楽しめるという、非常に贅沢なロケーションなのです。
さらに、この地は「真珠」の故郷としても知られています。海の蝶の館内や客室、そして大浴場に至るまで、至る所に真珠をモチーフにした気品あふれる演出が施されており、訪れる人を優しく、そして上品な輝きで迎えてくれます。30代・40代を過ぎると、宿選びの基準も少しずつ変わってきます。「とにかく安い」よりも「落ち着いて過ごせるか」。「食事が豪華」なだけでなく「素材の良さが感じられるか」。そして「温泉の質」が本当に良いかどうか。せっかくの週末、1泊2日の限られた時間を使うのですから、絶対に失敗したくないというのが本音ですよね。
私自身、これまで数多くの温泉宿を巡ってきましたが、「海の蝶」での滞在は、心の中に溜まっていた澱(おり)が、穏やかな鳥羽の海に溶け出していくような、不思議な静寂に包まれた時間でした。真珠を育む豊かな海が、私たち大人夫婦の疲れた心をも優しく包み込んでくれる——。そんな予感を胸に、宿の門をくぐりました。
この記事では、実際に私が「旅荘 海の蝶」に宿泊して感じたリアルな空気感や、榊原温泉がなぜこれほどまでに支持されるのか、そして「真珠」に象徴されるこの宿ならではの魅力について、プロの旅行ブロガーの視点で詳しく紐解いていきます。読み終える頃には、潮風の香りと共に、心地よい温泉の温もりが肌に伝わってくるような感覚になっていただけるはずです。
1|この地域の温泉が支持される理由
三重県には数多くの温泉地がありますが、その中でも「榊原温泉」が別格の扱いを受けるのには明確な理由があります。それは、歴史に裏打ちされた「美肌の湯」としての圧倒的な実力です。
平安時代の歌人、清少納言がその著書『枕草子』で絶賛したことは先ほども触れましたが、当時の人々にとって、榊原温泉は伊勢神宮に参拝する前の「湯治(ゆごり)」の場でもありました。神域に入る前に心身を清めるための特別な湯。そのスピリチュアルな背景と、実際に肌に触れた瞬間にわかるヌルヌルとした独特の泉質が、時代を超えて人々を惹きつけてやみません。
榊原温泉の泉質は、アルカリ性単純温泉。特筆すべきは、その「クレンジング効果」と「保湿効果」のバランスです。アルカリ性の成分が肌の古い角質を優しく取り除き、湯上がりには驚くほど肌がツルツルになります。まさに「天然の化粧水」に浸かっているような感覚。これが、美容に敏感な女性だけでなく、日々のストレスで肌が荒れがちな働き盛りの男性にも支持される理由です。
では、なぜ伊勢志摩にある「海の蝶」で、この内陸の榊原温泉が楽しめるのでしょうか。実は、海の蝶では榊原温泉の源泉を毎日贅沢に運搬し、大浴場に満たしています。これにより、「海沿いのリゾート感」と「日本三名湯の泉質」という、本来なら相反する二つの要素を同時に手に入れることができるのです。
また、伊勢志摩の海が育む「真珠」も、この地の癒しに一役買っています。真珠は、長い年月をかけて貝の中で大切に守られ、美しい光沢を放つようになります。この地の温泉に浸かるという体験は、まさに自分自身を真珠のように慈しみ、磨き上げる時間に重なります。歴史、泉質、そして環境。これらが三位一体となっているからこそ、この地域の温泉は、旅慣れた大人たちから根強い支持を受け続けているのです。
2|今回宿泊したホテルの第一印象と魅力
伊勢ICを降りて、穏やかな鳥羽湾を横目に車を走らせること約15分。少し小高い丘を登り切った先に、「旅荘 海の蝶」は静かに佇んでいました。車を降りた瞬間、鼻をくすぐるのは潮の香りと、手入れされた庭園の木々の匂い。都会の喧騒から完全に切り離されたことを確信する、至福のスイッチが入る瞬間です。
エントランスに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは、壁一面のガラス越しに広がる伊勢湾の大パノラマです。ロビーの天井が高く、開放感に溢れているため、まるで海の上に浮いているような錯覚を覚えます。そしてロビーを彩るのは、真珠をモチーフにした優美なインテリア。光の加減で虹色に輝く装飾が、これから始まる非日常の時間を予感させます。豪華絢爛な派手さはありませんが、随所に配置された和の意匠とモダンな家具が調和し、背筋が伸びるような上品さと、ホッと息をつける温かさが同居しています。
チェックインの手続きを済ませ、ウェルカムドリンクをいただきながら海を眺めていると、スタッフの方の丁寧な所作が印象に残りました。型通りのマニュアル的な対応ではなく、こちらの長旅を労うような、柔らかい言葉遣い。この「程よい距離感のホスピタリティ」こそが、大人の休息には欠かせない要素です。
客室へと向かう廊下からも、刻一刻と表情を変える海が見えます。私が訪れたのは午後3時過ぎ。西日が海面に反射してキラキラと輝き、遠くには真珠の養殖いかだが点在しているのが見えました。その景色を眺めているだけで、「ああ、来てよかった」と心の底から思える。スペックや数字では測れない「空気感」が、この宿には満ちています。館内は非常に静かです。週末にもかかわらず、ガヤガヤとした騒がしさがありません。これは、おそらく客層が落ち着いていることと、建物の造りがゆったりとしているからでしょう。「海の蝶」という名前の通り、どこか優雅で、ひらひらと舞う蝶のように自由な心地よさ。それが、私がこの宿に対して抱いた第一印象です。
3|温泉・露天風呂の癒し体験
「海の蝶」での滞在のハイライトは、やはり榊原温泉の湯に身を委ねる時間です。期待に胸を膨らませて大浴場「真珠の湯」へ向かいました。その名の通り、真珠を育む海を望むこの浴場は、入った瞬間に柔らかな蒸気に包まれます。
浴場に入ると、まず驚くのがお湯の感触です。肌に触れた瞬間、ベールを纏ったような「トロリ」とした質感が伝わってきます。これこそが、清少納言が愛した榊原温泉の真髄。アルカリ性の強いお湯が、肌の表面を滑らかにしていくのがリアルタイムでわかります。温度は熱すぎず、じっくりと長湯ができる絶妙な設定。目を閉じると、お湯が肌を撫でる感覚だけが際立ち、日頃の肩の凝りや思考のノイズが、じわじわと解けていくのを感じました。
そして、露天風呂へと足を踏み出すと、そこにはさらなる感動が待っていました。目の前に広がるのは、遮るもののない鳥羽の海と空。内湯のしっとりとした空気とは一変し、火照った頬に冷たい海風が心地よく吹き抜けます。海面には真珠の養殖いかだが整然と並び、その穏やかな風景は、まるで一枚の絵画のよう。
特におすすめしたいのが、夕暮れ時の入浴です。空がオレンジ色から深い藍色へと移り変わる「マジックアワー」。水平線の向こう側から夜が忍び寄る様子を、温かい湯に浸かりながら眺める贅沢。次第に遠くの島の灯りがポツポツと灯り始め、波の音だけが響く静寂。この時間は、どんな高級なエステやマッサージよりも、心へのデトックス効果があるように思えました。
また、大浴場には「真珠オーロラ風呂」というユニークなお風呂もあります。ミキモト・コスメティックスとの共同開発によるもので、真珠の成分が配合されたお湯が、真珠の光沢のように美しく輝いています。このお湯に浸かると、全身が真珠の輝きに包まれるような、なんとも優雅な気分になれるのです。
湯上がり処で冷たい水を飲みながら一息ついていると、肌が明らかに潤っていることに気づきます。化粧水を塗る前なのに、手のひらが肌に吸い付くような感覚。これが「美肌の湯」と呼ばれる所以かと、改めて納得しました。温泉から上がり、部屋に戻る道すがら、体の中がポカポカと芯から温まっているのを実感します。ただお湯に浸かるという行為が、これほどまでに豊かな体験になり得るのは、やはり「歴史ある名湯」と「圧倒的なロケーション」の掛け合わせがあってこそ。心身ともに軽やかになった自分に、思わず笑みがこぼれる。そんな極上の温泉体験でした。

4|食事と滞在中の過ごし方
温泉で心身を解き放った後は、いよいよ旅の醍醐味である夕食の時間です。「海の蝶」の食事は、伊勢志摩の豊かな海の幸を主役にした、目にも鮮やかな懐石料理。個室感覚でゆったりといただけるお食事処は、プライバシーが保たれており、夫婦二人だけの時間を大切にできます。
お品書きに並ぶのは、伊勢海老、鮑(あわび)、そして松阪牛といった三重が誇る豪華な食材たち。しかし、私が感銘を受けたのは、それらの高級食材をこれ見よがしに出すのではなく、素材の味を最大限に引き出す繊細な味付けでした。例えば、伊勢海老のお造りは、身がプリッと引き締まり、噛むほどに甘みが口いっぱいに広がります。その輝きは、まさに海の宝石。また、真珠の養殖でも有名なこの地ならではの工夫として、真珠貝の柱(アコヤ貝の貝柱)を使った一皿が登場することもあります。希少な珍味に、旅の会話も弾みます。
食事の後は、館内の散策や、ラウンジでのひとときを。夜のラウンジは照明が落とされ、さらに落ち着いた雰囲気になります。テラスに出れば、満天の星空。都会では決して見ることのできない、星の瞬き。潮騒をBGMに、ただ夜空を仰ぐ。そんな「何もしない時間」を共有することこそが、忙しい日々を送る夫婦にとって、最高のプレゼントになるのではないでしょうか。
翌朝、少し早起きをして窓を開けると、朝日に照らされて黄金色に輝く海が広がっていました。朝食は、炊きたての土鍋ご飯と、地魚の干物、そして磯の香り豊かなお味噌汁。派手さはありませんが、体が喜ぶ優しい朝ごはんです。特にお味噌汁の一口目は、胃の隅々にまで染み渡るような滋味深さがありました。
チェックアウトまでの時間は、庭園にある「池の平プライベートビーチ」まで散歩するのもいいでしょう。宿専用の散策路を歩き、砂浜に降り立つと、そこは自分たちだけのプライベートな空間。波打ち際を歩きながら、今回の旅の思い出を語り合う。海の蝶での過ごし方は、至ってシンプルです。お湯に浸かり、景色を眺め、美味しいものを食べ、語らう。その当たり前のことが、この宿では最高の贅沢へと昇華されます。
5|【ホテル詳細】客室・館内設備・サービスまとめ
ここでは、「旅荘 海の蝶」のハード面について、事実に基づいた情報を整理してお伝えします。宿泊を検討される際の参考にしてください。
客室タイプの特徴
客室は全室オーシャンビュー。大きく分けて以下の3つのタイプがあります。
- 飛天館(特別室・一般客室): 最上階にある飛天館は、より眺望が良く、贅沢な造りになっています。特に露天風呂付き客室は、自分たちのタイミングで何度でも榊原温泉を楽しめるため、記念日旅行に非常に人気です。
- 華真珠(一般客室): スタンダードな和室タイプ。10畳〜12畳の広さがあり、夫婦二人なら十分すぎるほどゆったり過ごせます。
- コンフォートツイン: 最近のニーズに応えた和モダンなベッドルームタイプ。畳の落ち着きとベッドの快適さを両立したい方におすすめです。
館内設備(大浴場以外)
- 真珠のギャラリー: 館内には美しい真珠製品を展示・販売するコーナーがあり、目の保養になります。
- ラウンジ: 海を望む開放的なスペース。コーヒーなどを飲みながら読書や景色を楽しめます。
- プライベートビーチ: 宿から徒歩圏内にあり、夏場だけでなく散策コースとしても人気。
記念日/大人向けポイント
誕生日や結婚記念日の場合、事前予約でケーキや花束の手配が可能です(有料)。また、何より「静寂」が最大のサービス。大人が落ち着いて過ごせる配慮が随所に感じられます。
旅のヒント: > 予約を検討される際は、まず楽天トラベルで最新の空室確認をすることをお勧めします。時期によっては「真珠のコスメ付きプラン」や「伊勢海老・松阪牛会席プラン」など、楽天限定のお得なプランが出ていることもあります。また、料金比較をしながら、実際に泊まった方の口コミ・写真チェックをすることで、お部屋からの見え方などの具体的なイメージが湧き、失敗のない宿選びができます。
6|【アクセス】行き方・立地・周辺環境
「旅荘 海の蝶」は、伊勢志摩観光の拠点として非常に便利な場所にありますが、初めて訪れる際にはいくつか注意点もあります。
電車でのアクセス
最寄り駅は、**近鉄「鳥羽駅」または「伊勢市駅」**です。
- 無料送迎バス: 鳥羽駅から定時運行の送迎バスが出ています(事前予約がスムーズです)。所要時間は約10分程度。車窓から見える海の景色を楽しんでいる間に到着します。
車でのアクセス
伊勢自動車道「伊勢IC」から伊勢二見鳥羽ラインを経由して約15分。
- 注意点: 宿は少し高台に位置しているため、最後の入り口付近は急な坂道になっています。案内看板を見落とさないよう注意してください。また、伊勢神宮(内宮)からは車で約20分と、参拝後の宿泊にも最適な立地です。
不便に感じやすい点
唯一、不便に感じるかもしれないのは「周辺にコンビニや飲食店が徒歩圏内にない」ことです。その分、騒音とは無縁の静かな環境が保たれていますが、夜食や飲み物を調達したい場合は、チェックイン前に伊勢市街地や鳥羽駅周辺で済ませておくことをおすすめします。
7|【口コミ・評判まとめ】実際に泊まった人の声
ネット上の口コミや評判を調査し、共通する傾向をまとめました。
良い口コミに多い意見
- 「温泉が驚くほどトロトロ」: 榊原温泉の泉質に対する評価が極めて高く、「美肌効果を実感した」という声が目立ちます。
- 「真珠オーロラ風呂が綺麗」: 他にはない演出に、女性からの支持が厚いです。
- 「スタッフのホスピタリティ」: 過剰すぎない、温かみのある接客が好評です。
気になる口コミ・注意点
- 「施設の経年劣化」: 一部、畳や設備に古さを感じるという意見もありますが、「それも含めて情緒がある」「清掃は完璧」というフォローも多いです。
- 「坂道が大変」: 徒歩での外出は現実的ではないため、移動は車か送迎バスが基本となります。
どんな人なら満足しやすいか
- 「温泉の質」を最優先したい人: 有名な温泉地の名前だけでなく、実際の肌触りにこだわる方。
- 真珠や海といった「上品な癒し」を求める人: 落ち着いた空間でリラックスしたいカップル。
- 伊勢参りの拠点を探している人: 静かな環境で旅の疲れを癒したい方。
さらに詳しいリアルな感想は、楽天トラベルの口コミページで、実際に宿泊した方の年代別コメントなどを写真チェックと合わせて確認してみてください。
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8|失敗しない温泉宿選びのポイント
せっかくの旅行で「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、プロの視点でお伝えします。
1. 「温泉の供給形態」をチェックする 「天然温泉」と書かれていても、循環式なのか、運び湯なのか、かけ流しなのかで体感は変わります。海の蝶のように、遠方から源泉を運んでいる場合は、その鮮度や管理体制が信頼できるかどうかがポイント。ここは、実際に泊まった人の「お湯のヌルヌル感」などの具体的な感想が一番の指標になります。
2. 「静かさ」の正体を見極める 「静かな宿」を謳っていても、壁が薄かったり、団体旅行客と重なると台無しです。対策としては、平日を狙うか、あるいは「大人限定」や「個室食」のプランがある宿を選ぶこと。海の蝶は、食事場所が仕切られているため、この点は非常に安心感があります。
3. 「いつ予約するか」で賢く選ぶ 温泉宿には必ず「閑散期」と「繁忙期」があります。伊勢志摩の場合、年末年始やGW、お盆は非常に高騰しますが、平日の火・水・木などは驚くほど安く、かつ空いているためサービスも手厚くなりやすいです。また、楽天トラベルの「5と0のつく日」などのキャンペーンを併用すると、ポイント還元を含め、実質的にかなりお得に宿泊可能です。
まとめ
三重県・伊勢志摩に佇む「旅荘 海の蝶」。 そこは、清少納言が愛した榊原温泉の恵みと、真珠が育まれる伊勢湾の雄大な絶景が交差する、唯一無二の場所でした。
今回の滞在を通じて感じたのは、本当の贅沢とは豪華な設備に囲まれることではなく、「自分を取り戻すための静寂」があるかどうかだということです。波の音を聴きながら、真珠のように滑らかなお湯に身を委ねる。地のものを丁寧に調理した食事を、大切な人と分かち合う。そんなシンプルな時間が、私たちの心にどれほどの活力を与えてくれるか。
30代・40代、仕事でも家庭でも責任ある立場を担い、日々を駆け抜けているあなたにこそ、この宿の「緩やかな時間」を体験してほしいと思います。週末の1泊2日、スマホを置いて、ただ海を眺める。そんな過ごし方が、次の一週間を戦うための、何よりのガソリンになるはずです。
もし、この記事を読んで「少し心が軽くなりそうだな」と感じたら、それはあなたの体が休息を求めているサインかもしれません。まずは、次の週末のスケジュールを確認してみてください。
人気の露天風呂付き客室や、真珠コスメ付きの限定プランは早めに埋まってしまうことも多いです。まずは楽天トラベルで現在の空室状況や、最新の料金比較、そして他の宿泊者のリアルな口コミや写真をチェックすることから始めてみてはいかがでしょうか。
伊勢の神々に守られ、真珠の輝きに包まれた地で、名湯と絶景に癒される。そんな特別な休日が、あなたを待っています。
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